「ぶいすぽっ!」、誹謗中傷めぐる訴訟で勝訴 賠償金を全額回収 「当て字・伏せ字でも責任は免れない」

VTuberグループ「ぶいすぽっ!」(登録者数40万人)の運営元・株式会社バーチャルエンターテイメントは4月10日、所属タレントに対する誹謗中傷行為等への対応状況を公表し、「花芽なずな」(同48万人)を名指しで誹謗中傷していた人物に対する損害賠償請求訴訟で勝訴判決を得たことを報告しました。

誹謗中傷対策委員会のこれまでの取り組み

ぶいすぽっ!は2021年10月に、誹謗中傷やストーカー行為、その他の攻撃的行為から所属タレントや従業員を守ることを目的とした「誹謗中傷対策委員会」を設置。以降、同委員会は継続的に活動報告を行っており、発信者情報開示請求や示談交渉を積極的に進めてきました。

花芽なずなへの誹謗中傷で勝訴判決

今回の報告で明らかにされたのは、「SNS上で花芽なずなを名指しして誹謗中傷を行い、社会的評価を不当に低下させ、人格的な尊厳を侵害する投稿を繰り返していた」とする人物への対応です。同委員会は発信者情報開示請求を裁判所に申し立てて発信者を特定し、その後、当該人物との交渉に臨みました。しかし、十分な謝罪や示談内容の提示が得られなかったため交渉を打ち切り、東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起したとしています。
その結果、勝訴判決を得たといい、判決で認められた損害金については遅延損害金を含めて全額を回収したと報告しました。

「当て字・伏せ字」でも法的責任は免れない

今回の報告では、誹謗中傷に「当て字」が用いられていた点にも言及しています。「A氏」や「◯す」といった当て字や伏せ字を使った投稿であっても、文脈や前後の投稿、ハッシュタグなどから対象者が特定でき、投稿内容が誹謗中傷であると合理的に推認できる場合には、法的責任を免れることはできないと説明しました。
同委員会は、当て字や伏せ字を用いた権利侵害についても、名誉毀損や侮辱、いわゆる「荒らし行為」などと同様に厳しく対応していくとしています。

複数の案件が並行して進行中

花芽なずなの件以外にも、SNSやウェブサイト上における所属タレントへの誹謗中傷行為や、性的イラストによる著作権侵害事例について、投稿者やサイト運営者、プロバイダ、プラットフォーマーに対する複数の裁判や交渉を並行して進めているとのことです。すでにいくつかの案件では本人を特定したうえで、裁判外・裁判上で損害賠償請求を行っているとしており、ケースによっては刑事手続きを含む対応も実施する方針を改めて示しました。
ぶいすぽっ!は報告の中で、こうした成果はファンからの通報や協力によるものだとして感謝を述べるとともに、今後も誹謗中傷対策委員会の活動を通じて、タレントが安心して活動できる環境づくりと被害を受けたタレントへのケアに全力で取り組んでいくとしています。