マンジャロ製造元の日本イーライリリーが声明 ダイエット目的の使用や無許可販売は「容認できず」
製薬会社・日本イーライリリーは6月11日までに、同社が製造販売する2型糖尿病治療薬「マンジャロ」について、美容・痩身・ダイエットなどを目的とした使用や無許可の売買に対して注意喚起する声明を公式サイトに掲載しました。
ダイエット目的の使用や無許可販売が社会問題に
マンジャロは、GIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれる注射薬で、国内では2型糖尿病のみを効能・効果として承認されている処方箋医薬品です。食欲が抑えられ体重が減少することから、近年はSNSを中心に美容・ダイエット目的での適応外使用が広がり、問題視されてきました。
YouTubeでは、実業家の「溝口勇児」(登録者数62万人)が出資するマンジャロのオンライン処方サービス「ダイエットビューティー」が、キャバ嬢オーディション番組「LAST CALL」(同50万人)内で宣伝され、公式アンバサダーを務めたキャバ嬢の「ゆいぴす」(同21万人)が「1カ月で5kg痩せた」と体験談を披露したことで、薬機法や医療広告ガイドラインへの抵触を指摘する批判が拡大。これを受け、ゆいぴすは謝罪動画を公開してアンバサダー辞退とインフルエンサー活動の休止を表明し、溝口も6日のReHacQ生配信で「粗が大きかった」と反省の弁を述べていました。
また2日には、マンジャロを無許可で販売したなどとして、大阪府警が20〜30代の男女3人を医薬品医療機器法(薬機法)違反の疑いで書類送検したと報じられ、同日には上野賢一郎厚生労働大臣が適正な使用を呼びかける事態となっていました。
目的外使用と転売を「容認できず」
こうしたなか日本イーライリリーは公式サイト上で、「昨今のマンジャロに関する報道等について」と題する声明を公開。美容・痩身・ダイエットなどを目的とした使用を推奨していると受け取れる広告や、許可なくマンジャロを売買した疑いで書類送検されたとの報道を確認していると言及しました。
そのうえで、日本におけるマンジャロの承認された効能・効果は2型糖尿病であり、「医師の管理・指導のもとでのみ使用が許可されている薬剤」だと改めて説明。美容やダイエットといった2型糖尿病以外の目的で使用した場合の有効性および安全性は医学的に確認されていないとしています。
無許可の売買についても、医薬品を許可なく個人間で売買・転売することは薬機法に違反する行為だと指摘。適切に指導・管理されていない医薬品の使用は安全性や品質が確保されておらず、本来の効果が見込めないだけでなく「深刻な健康被害が発生するリスクがあります」と警告しました。
日本イーライリリーはこれらの不適切な購入・使用を容認できないとし、関連当局や関連学会、警察等と緊密に連携しながら、情報共有や注意喚起、適正使用推進のための情報提供活動を行っていると説明しています。
肥満症治療には承認薬の使用を呼びかけ
同社の公式サイトによると、マンジャロと同じ有効成分チルゼパチドを用いた薬剤としては、肥満症治療薬「ゼップバウンド」が国内で承認されています。ただしその対象は、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法や運動療法を行っても十分な効果が得られない患者のうち、BMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合か、BMIが35以上の場合に限られており、医学的な減量が必要な「肥満症」と単なる肥満とは異なることも明記されています。
声明の最後で同社は、肥満症の治療においては、肥満症治療薬として承認された薬剤を医師の管理・指導のもとで使用するよう呼びかけました。










