神戸大学教授がクルーズ船の対策を批判「シエラレオネのほうがマシ」
感染症の専門家がダイヤモンドクルーズの船内に立ち入り、自身の所感を動画として公開したことが波紋を呼んでいます。
大型クルーズ船内で感染広がる
中国を中心に感染が拡大している新型コロナウイルス。
国内でも、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」にて感染が拡大しています。
「ダイヤモンド・プリンセス」では新型コロナウイルス(Covid-19)に乗客乗員542人が感染した。中国大陸の外では最多の集団感染となった。
日本当局は18日には、船内で新たに88人の確認が感染されたと発表。これによって確認された船内の感染者数は542人になった。(BBC)
(参考:BBC「「ダイヤモンド・プリンセス」から下船始まる 新型コロナウイルス陰性の乗客」)
感染症の専門家が船内立ち入り
2020年2月18日、神戸大学病院感染症内科教授の「岩田健太郎」(登録者数1.4万人)が「ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機。なぜ船に入って一日で追い出されたのか。」を公開しました。
この動画の中で岩田氏は、この日の午前からダイヤモンド・プリンセスの船内に立ち入り、感染症対策の現状を見てきたと発言。
船内からは1日と経たないうちに追い出されたとのことですが、「ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機」と現状の対応を強く批判しました。
船内へはどう立ち入った?
もともとは環境感染学会の一員として船内に入る予定だった岩田氏でしたが、学会では「中(船内)に人を入れないという決まり」ができてしまっていたとのことで、DMAT(災害派遣医療チーム)のメンバーとして船内に入ることに。
ところが、岩田氏の船内立ち入りを「非常に反対している人」がいたため、DMATの一員として入る話も立ち消えになってしまったようです。
最終的に「DMATの仕事をただやるだけ」という名目で船内に入ったようですが、岩田氏はこの話を「非常に奇妙」と表現しています。
船内より「シエラレオネのほうがマシ」
岩田氏は、感染症の蔓延が危惧される場所では、ウイルスがいるかもしれない範囲を「レッドゾーン」として、感染のリスクがない「グリーンゾーン」と分けるのが鉄則だとしています。
ところが、船内に立ち入って状況を確認したところ、
ダイヤモンド・プリンセスの中はですね、グリーンもレッドもグチャグチャになってて、どこが危なくてどこが危なくないのか、全く区別かつかない。
というのがダイヤモンド・プリンセスの現状としました。
また、船内で感染症対策に従事した人物らはその後、自分の病院に戻って仕事をしますが、岩田氏は「そこからまた院内感染が広がってしまいかねない」と、二次感染のリスクについても危惧しています。
アフリカで流行したエボラ熱や、中国の流行したSARSへの対策に立ち会って来たと話す岩田氏ですが、日本の現状は
アフリカや中国なんかに比べても全然、ひどい感染対策をしている。
シエラレオネなんかの方がよっぽどマシでした。
とし、感染が広がっているのも「むべなるかなと思いました」との感想を述べています。
素人が意思決定をしている
なぜ、このような状況になっているのでしょうか。
岩田氏は動画でこのように述べています。
そもそも常駐してるプロの感染対策の専門家が1人もいない。
感染対策のプロは意思決定に全く参与できず、素人の厚労省官僚が意思決定をしています。(動画コメント欄)
また、岩田氏が専門家として官僚に進言しても「非常に冷たい態度を取られました」と聞く耳を持たれない状況のようです。
加えて、そうした現状が日本では全く報道されていないとも指摘。
誰も情報を公開しない以上、自分がやるしかないと話し、
この大きな問題意識を皆さんと共有したくてこの動画を上げさせていただきました。
として動画を締めました。
厚生労働副大臣もコメント
船内の状況を“告発”したこの動画は、2月19日15時までに70万回以上再生されており、コメント欄でもその内容に驚く声が多数寄せられています。
一方、この動画が公開された翌日、厚生労働副大臣の「橋本岳」はツイッターでこのようなコメントをしています。
お見掛けした際に私からご挨拶をし、ご用向きを伺ったものの明確なご返事がなく、よって丁寧に船舶からご退去をいただきました。多少表情は冷たかったかもしれません。専門家ともあろう方が、そのようなルートで検疫中の船舶に侵入されるというのは、正直驚きを禁じ得ません。
— はしもとがく(橋本岳) (@ga9_h) February 19, 2020
まだまだ収束の気配を見せない新型コロナウイルス。
動画をめぐって、さらなる波紋が広がりを見せています。









