短歌一期一會

短歌一期一會

【百人一首歌の解説(79番歌)】藤原顯輔の歌

影片類型
一般
發布日期/時間
2025年12月27日 19:00
動畫長さ
14:32
觀看次數
527
點讚數
25
コメント數
-
エンゲージメント率
4.7%
データ確認日時
2026年1月3日 16:15

動畫概要

今回は、百人一首第七十九番歌、
藤原顯輔 の歌をご紹介します。

「崇徳院に百首の歌たてまつりけるに」
秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ
(『新古今和歌集』秋上・四一三)

<現代語譯>
澄みきった秋風が夜空を渡っていく。
その風に吹かれて、横にたなびく雲――
その雲の切れ目から、
ふとこぼれ出る月の光の、
なんと清らかで、澄みわたっていることだろうか。

<鑑賞>
この歌は、久安六年(1150)、
百人一首第七十七番歌の作者である 崇徳院 に捧げられた百首歌、
「久安(きゅうあん)百首」の中で詠まれた一首です。

百首歌とは、いくつかの題に沿って詠んだ歌(題詠)を、
百首まとめた歌群のことをいいます。

平安時代の和歌では、
秋の月を「もの悲しい」と感じ取るのが、
いわば決まりきった感覺でした。
しかし顯輔は、そうした感情を示す言葉をあえて用いず、
月の美しさそのものを、靜かに描き出しています。

秋の夜空をゆっくりと流れていく、細くたなびく雲。
その雲の絶え間から、ふと漏れ出してくる月の光――
澄みきったその美しさが、ありのままに表現されています。

ここで注目したいのは、
月そのものではなく、雲間から差し込む「光」に
視線を向けている點です。
その一瞬の輝きは、
感動の瞬間を切り取った一枚の寫眞のように、
讀む者の心に強く殘ります。

そして、體言止めで結ばれる
「さやけさ」という言葉の響きが、
靜かな餘韻を添えているのです。

<作者について>
父・藤原顯季 は、
歌道の名門「六條藤家(ろくじょうとうけ)」の祖として知られています。
その三男として生まれた藤原顯輔は、
堀河・鳥羽・崇徳・近衞の四代の天皇に仕え、
正三位左京太夫(京都左半分を管轄する長官)にまで昇進しました。

六條家の後繼者として多くの歌合に作者・判者として參加し、
崇徳院にその歌才を認められて、
『詞花集』の撰者にも選ばれています。
【百人一首歌の解説(79番歌)】藤原顯輔の歌