早稻田メンタルクリニック【こころ切り拔きCh】精神科醫 益田裕介

早稻田メンタルクリニック【こころ切り拔きCh】精神科醫 益田裕介

あなたの家族は變ですか?「機能不全家族」について精神科醫が解説します【早稻田メンタルクリニック 切り拔き 精神科醫 益田裕介】

影片類型
一般
發布日期/時間
2024年7月21日 20:45
動畫長さ
08:53
觀看次數
5597
點讚數
248
コメント數
13
エンゲージメント率
4.7%
データ確認日時
2024年7月28日 14:59

動畫概要

00:49 家族は「チーム」
02:47 家族のライフサイクル

今回は「機能不全家族」というテーマでお話しします。

「家族」とはどういうものなのか、あまり考えたことがない人が多いのではないでしょうか。

家族は、生まれたときからその空間にいるので、客觀的にどのようなものか、人の家族はどういうものか、いまひとつ考えにくいものです。
自分のことさえよく分からない、客觀視しにくいのに、ましてや家族のことなど客觀視しにくいわけです。

自分が所屬しているものは、あまり客觀視できないものです。
自分の會社はどんな會社なのかなど、意外と考えたことがない人が多いと思います。

家族とはかけがえのないものであるし、それぞれ違うのですが、そもそも家族とはどのような機能を持つ集團なのかということは考えられています。

「家族療法」と言ったりしますが、家族とはそもそもどういうものか、どういうシステムで動いているのか、そのあたりを一度見直してみることは治療上とても大事なことなので、今回動畫でお話ししようと思います。

■家族は「チーム」

「機能不全家族」は、家族として機能していないということです。
精神科の患者さんのご家族が機能不全家族だったケースはかなり多いです。

それが當たり前のように思っているので、ちびまる子ちゃんとかサザエさんとかクレヨンしんちゃんとか、アニメの一家團らんのような家族像を見て、あんな家族はいない、と思っている患者さんが結構多いです。

一般的な家族像だということでアニメとして成立しているのだけれども、そしてみんな共感をして面白いね、ウチと同じねと思いながら見ているのだけれども、精神科の患者さんにとってはすごくファンタジーのように見えていることが多いようです。

それが大人になってもすごくいびつで、頭では理解しているのですが、體感的にあれが普通だとは思えない、自分が結婚してもなおそれが全然分からないという人は結構いたりします。

家族というのはそもそもどういうものかというと、まず「チーム」なのです。
一つのシステムであり一つのチームです。
會社もチームだし、どんな組織もチームなのですが、家族はよりプライベートで密着度の高いチームです。

チームとして何をしているのかというと、まず一つは子育てや教育です。
二つ目に經濟、經濟活動やお金を稼いでくるということです。
あとは娯樂です。お金を使うということです。
これをみんなでやる。みんなで映畫を觀るとか、樂しいことをする。
お金を稼ぐ、お金を使う。

あとは扶養と介護です。
病氣の人や老人をケアするという機能を持っています。

日本人には馴染みないかも知れないし、庶民には馴染みないかも知れませんが、宗教的機能や社會地位を引き繼ぐという機能もあります。
一家代々やるといったことは、こういうことです。
歌舞伎などもそうですし、家が經營をしていると息子に繼がせる、宗教的な意味というのもあるかなと思います。

これらの機能を果たさなければいけないのですが、果たせてないというのが「機能不全家族」の特徴です。

■家族のライフサイクル

家族も集團、組織なので、生まれた後に消滅していきます。

基本的には核家族なので、核家族モデルですけれど、ちなみにこの話はウィキペディアから取ってきました。
ウィキペディアの情報から取ってきたのですけれども、ウィキペディアの情報を自分なりにアレンジしています。

まず一人いて、一人の状態からカップルができて婚姻契約を交し、子どもが生まれ、子どもが思春期になり獨立し、片割れが亡くなる、というのが流れです。
これが家族のライフサイクルと呼ばれるものです。

その一個一個の状態に、どこでつまずいたのか、どこで問題が起きているのかを考えることが重要です。

一人でいるときに、獨立・自立した個人でいるのか?
一人でいるときに、ちゃんと自立しているのか、ということが結構大事です。

一人暮らしをしているとか、一人でちゃんと大人として社會人としてやっているということが大事で、そこの問題をクリアせずに結婚してしまうと、共依存の問題が生まれてしまいます。

一人では立てない同士が支え合っている、それは一見美談のように見えてあまり美談ではなくて、互いに支え合っているのでどちらかのバランスが崩れると一氣に崩れます。
半人前同士がくっついて辛うじて一人前の體を成していると、良い時は良くても上手くいかない時には破綻してしまいます。

次は子どもが産まれます。
子どもが産まれてくると、その子どもにエネルギーをしっかり向けられるのかということがあります。

お母さんが育兒を放棄する、旦那さんが育兒を放棄する、ネグレクトになってしまうと上手くいかない。
子どもというのは自我の境界が緩く、親とすごくくっついています。
喜ばしいことですが本當に大變で、自分を犧牲にして、自分の使える時間やエネルギーやお金を犧牲にして、ちゃんとここにエネルギーを投資できるのかというのが大事なポイントです。

良くないケースだと、夫婦仲が惡くて子どもがお母さんの愚癡の聞き役になっているとか、まだ子どもが小さいのに甘えることができずにお母さんのケアをする、お父さんのケアをする、お父さんが怒って家がピリピリした状態で氣まずい雰圍氣の中、子どもが親に機嫌を取るようなことをするとか、そうなると破綻していたりします。

子どもが大きくなってくると、子どもの自我がないとは言わないですが、思春期を迎えてから第二の自我が芽生えてきます。
そこからが大人の階段に入っていくタイミングなのですが、人間は二度生まれると言われています。
二度目の誕生は思春期の入り口なんです。

そうすると、非常に混亂するのです。

急に分かることも増えるし、世の中何なんだという感じで、今まではお父さんとお母さんに密着していて、學校に密着していて、友だちと密着していて、自分で考えるというよりは雰圍氣で動いたりすることも多い中、突然二回目の生まれをもって混亂します。氣づくこと、見えるものが多く、これは何なんだとなります。

親と自分は別だし、別じゃないと今度は嫌だし、イライラするし、腦は急に大きくなるし、ホルモンのバランスは崩れるし、めちゃくちゃなんですよね。

このめちゃくちゃを家族はきちんと抱えられるのか。

自分たちの問題ではない、自分たちの混亂ではない他者の混亂なのです。親から見たら子どもの混亂というのは。
それを、他人の問題を他人としてきちんと抱えられるのか、というのが大事です。

逆に母子密着みたいにくっついてしまって、お母さんが子どもの惱みを取ってしまって一緒に惱んでしまうほどくっつくと自立を妨げてしまうので、適切に抱えられているのかというのがポイントかなと思います。

逆にヤングケアラーの問題など、中學生になったんだからお前は自分でできるだろ、ということで家のことを手傳えとか自分の時間を與えられないのも機能不全家族の問題です。

つまり子育て・教育の機能がきちんとできていない、扶養・介護の問題を親たちが放棄して全部子どもがやってしまうということがあったりします。

モラトリアムが延びているのです。
30歳くらいまでは、親離れが色々な意味でできにくいという時代なのかなという氣がします。
もちろん親離れをすぐする人もいますし、家庭の事情によっては親離れをせざるを得ない早熟な子どももいるかもしれませんが。

30歳くらいまでは、親離れが色々な意味でできにくいという時代なのかなという氣がします。もちろん親離れをすぐする人もいますし、家庭の事情によっては親離れをせざるを得ない早熟な子どももいるかもしれませんが。その場合は、機能不全家族のある種の問題を抱えているのかな、と思ったりもします。

最後の問題として、核家族の老後というのも今日では新しいあり方です。田舍に歸らない子どもたち、ですね。
東京に出たまま田舍に歸らない、年老いた親は一人暮らしをし、ヘルパーさんをつけて遠距離で介護するという形も今は普通になっています。こういう問題も社會的な問題としてどう考えるのか。それは機能不全家族なんですか、ということもあります。
二人で暮らしていけるように、老人ホームに入れるように貯金しなかったら、それは機能不全家族なんですか?よく分からなくなってきます。

システムと考えるとそうかもしれませんが、それだとハードルがキツすぎるでしょということになると思うので、これもまた一つの精神醫學的な問題でもあるのですが、社會學、政治學的な問題でもあるのかなと思います。

ざっくり話しましたが、精神科の臨床をしていく中で、患者さんの家族はどういう家族だったのか、親子關係はどうだったのか、時期に合わせて適切な對應をしていたのか、できていなかったのは何が原因だったのか、母親なのか父親なのか本人なのか、それとも全員の問題なのか、色々考えることはあります。

嫁姑問題もしかり、障害のある兄弟姉妹がいるとか、そういう問題かもしれない。まったくプレーンな家族、まったく何の問題ない家族というのはあり得ません。家族の果たさなければいけない機能はこれだけ澤山ありますから、全部が滿足のいく平均値を取るということは不可能に近いので、それぞれの家族にそれぞれの問題があると思います。
でも問題があるからといって全員が精神科に通院しているわけではありません。
問題がありながらもこの患者さんはどうして通院まで至ったのか、ということを考える必要はあるのかなと思います。
機能不全家族だからといってみんなが精神科の患者になるわけではない、だけどこの患者さんは機能不全家族の元に育って、そして病氣になった、ということを一個一個考えていかなければいけないのです。

今回は、機能不全家族、家族とはどのような機能を持っているのかについてざっくりお話ししてみました。

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▼自己紹介
益田裕介
防衞醫大卒。陸上自衞隊、防衞醫大病院、薫風會山田病院などを經て、2018年都内で開業。專門は仕事のうつ、大人の發達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと變人よりの町醫者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。2020年6月5日より斷酒繼續中。
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