早稻田メンタルクリニック【こころ切り拔きCh】精神科醫 益田裕介

早稻田メンタルクリニック【こころ切り拔きCh】精神科醫 益田裕介

「トラウマのある人たちへの治療法」を精神科醫がわかりやすくお傳えします【早稻田メンタルクリニック 切り拔き 精神科醫 益田裕介】

影片類型
一般
發布日期/時間
2024年8月14日 20:45
動畫長さ
07:42
觀看次數
5417
點讚數
364
コメント數
31
エンゲージメント率
7.3%
データ確認日時
2024年8月21日 13:18

動畫概要

00:35 嫌な記憶
02:57 治療
03:52 なぜうまくいかないのか

今日は「嫌な記憶・感情への對處法」について解説します。
トラウマ治療のお話です。

トラウマといってもPTSDがある人(フラッシュバック、回避、感情の麻痺、過覺醒)だけでなく、「しこり」がある人はたくさんいらっしゃると思います。
PTSDほどの症状はないけれど、日常生活をなんとなく樂しめない、過去の嫌な記憶のせいでふとした瞬間に絶望に襲われるという人は多くいると思います。

そのような人たちに對して、どのような治療をしたら良いのかというお話をします。

■嫌な記憶

そもそも「嫌な記憶」とは何なのでしょうか。

人間の心というのはもちろん「腦みそ」です。
腦が作り上げている幻想、プログラムです。

腦みそにおける「心」の部分はどのような機能から成り立つかというと、
・合理的判斷をする部分
・感情を司る部分
・記憶を司る部分
これらのパーツを重ね合わせてふわっと浮き上がってくるのが人間の「心」です。

もちろん、合理的な判斷は前頭葉、記憶は海馬、感情は大腦邊縁系など色々な言い方をしますが、單純にそのような場所で決まっているというよりは、もう少しミックスされて複雜なものです。

この「記憶」の部分が馬鹿になってしまっているというのが、トラウマの本質です。

人間というか動物は、大事な情報は忘れないように作られています。
危險な場所、危險な動物、危險な食べ物は、一度嫌な思いをしたら忘れないようにできています。

人間が猿のときに「あそこの崖に行ったら、川に落ちそうになって死にそうな思いをした」ということがあったら、子供の時のことでも一生覺えています。
蛇に噛まれたら蛇は一生怖いですし、お腹を下したことのある果物を見たら絶對食べないように一生覺えています。

逆に、樂しいことはあまり覺えないようにできています。
「あの場所に行ったらリンゴがたくさん採れた」ということを覺えていても、翌年にはたくさん實るかどうかわかりませんし、命の危險には關係ないので忘れやすいです。

でも「恐怖體驗」は忘れないようにできています。
それが病的に忘れられないのです。

「あんなことあったな」「あんな惡いことしてしまったな」と僕らも思い出すことがあると思いますが、そのレベルを超えて恐怖として殘ってしまうものがトラウマです。

普通であればなんとなく思い出して「あのとき嫌だったな」「あのとき怖かったな」と思うのですが、そうではなくまさに目の前で起きているかのような體驗をしてしまいます。


なんとなく日常で思い出すくらいではあまりトラウマとは言いません。
街を歩いていてふとした瞬間にわっと思い出して頭を抱えてしまうこともあれば、信號を見ただけで恐怖體驗を思い出し動悸が激しくなるけれどなんとなく信號を渡れるという程度もあります。

もう少し輕くなってくると、ふとした瞬間に思い出して「あの時怖かったな、もう車には乘りたくないな」と少し涙がにじむくらいのこともあります。
このように程度の差はありますが、恐怖體驗が大きいものを「トラウマ」と言ったりします。

■治療

トラウマは「記憶」に關わることです。

恐怖體驗のあまり腦が記憶を忘れないというのが病氣の本質なので、この記憶を客觀視してそれに囚われないようにします。
また、記憶を上書きしていくことで、それは危險な體驗ではないということを自分に再學習させていくのが治療の本質です。記憶に對して「それは安全だ」という記憶で上書きしていきます。

交通事故にあった人であれば、「交通事故は滅多にないから大丈夫」と記憶を上書きしていきます。
男性に暴力を振るわれたことのある人であれば、「あの人はたまたまそのような人だった、他の人は大丈夫」だということを言い聞かせてあげるのが治療となります。

そして客觀的に見ます。
もうそれは二度と起きない。確かに一回はあったかもしれないけれど、もう二度と起こり得ないのだということをきちんと理解することが重要です。
一人だと難しいので、治療者とそのようなトレーニングをします。

■なぜうまくいかないのか

上記がトラウマの本質であり治療法ですが、なぜそれがうまくいかないのでしょうか。

・安全な場所を確保できていない
問題がそもそも現在進行形であったり、治療構造がしっかりできていないということがあります。

例えばパワハラを受けて傷ついた場合、その會社に屬している限り解決しないということがあります。
會社にパワハラを訴えても聞いてもらえない、上司とあなたで好きにやってくださいと切り離されてしまうなど色々なパターンがあります。
とにかくまだ終わっていないのです。

過去のことではなく、現在進行形でトラブルが起きている場合はまだ安全な場所とは言えないので心が癒されていきません。まずはその問題を解決しなければなりません。

安全な場所だと言っても、治療者が話を聞く態度がなく、診察時間も1、2分で「はい、次ね」とか、話そうと思った瞬間に「あなた話が長そうね、藥を出すからカウンセラーを見つけてください」などとやっていたら上手くいきません。
安全な場所を確保できる治療スタイルを作ることが重要です。

・上書きの鹽梅がわからない
「交通事故にあったかもしれないけれど、二度と起きないでしょう、でも本當にそうなんですか?」ということです。
どれくらい安全確認をすれば良いかという鹽梅がわからないのです。
もう二度と起きないからシートベルトをしなくて良いのですか、というとそんなことにもなりません。

交通事故であれば客觀視しやすいですが、男性恐怖の場合、家族だったら安心できますよね、でも友達はどうなんですか、合コンで知り合った男性は良いのですか、合コンで知り合った男性だけれど學生だと危ないですか、社會人なら良いのですか、一部上場企業に勤めている人ならば安全なのですかなど鹽梅がよくわかりません。

これはいろいろな人のケースを見なければわからず、經驗値のバリエーションを増やさなければなりません。
治療者と患者さんと2人だけで話していても、バリエーションがとても狹くなってしまいます。

ですから、「グループケア」で同じような經驗をした人たちと話し合うということがすごく重要ですし、治療效果も高いです。

ですが、實際にそのような安全なグループがあるかというと、見つけるのが難しかったり、見つけたとしても通うのが難しかったりします。

・客觀的に考えることの困難
トラウマ體驗がとても強烈なものだったので、客觀視できないわけです。
記憶が強すぎて、合理的判斷や感情が支配されてしまっているのです。

本人の體質の問題もあります。
知的な能力が低く客觀視することが苦手だったり、發達の問題で客觀視が弱い場合もあります。
今で言うHSP(精神醫學用語ではありません)で過敏で不安を感じやすい人の場合は、トラウマを客觀視しようとしても過敏なためにウワッとなってしまい、蓋をする以外解決策がないと思い込んでいる場合もあります。

・その他
うつ病と合併している場合は、うつ病そのものをまずは治療していかなければなりません。
その場合はなかなかうまくいかなかったりします。

うつ病がある場合は、トラウマをケアしようと思ってもなかなかうまくいかないので、まずはうつ病を治していきます。
うつ病は腦の中の「感情」の部分の病氣です。
記憶にも障害があり感情にも障害があるとなると、合理的判斷だけで奮鬪しようとしても難しいのです。

うつ病との合併がある場合は、感情の部分を藥でしっかり治していくことが重要です。

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▼自己紹介
益田裕介
防衞醫大卒。陸上自衞隊、防衞醫大病院、薫風會山田病院などを經て、2018年都内で開業。專門は仕事のうつ、大人の發達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと變人よりの町醫者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。2020年6月5日より斷酒繼續中。

▼參考
厚勞省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神醫學テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/deta...
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb...

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